ネタがないんで書き溜めている映画批評の中で新しすいのを1つ。
ちなみに公式HP→http://babel.gyao.jp/
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BABEL(バベル)(アメリカ・2006)
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
主役:ブラッド・ピッド
出演:ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊池凛子、アドリアナ・バラッザ、エル・ファニング、二階堂智ほか
キャスト:70点
ストーリー:70点
映像:55点
総合:65点
(↑これは俺的に結構いい点数なんです)
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面白いです。
いろいろと一般人からの書き込みなど評価を見ると、かなり酷評されているようですが、僕的には面白かったデス。
「アカデミー賞ノミネート」や「ブラピ主演」のCM効果で皆さん派手な映画を想像して行ったのでしょう。そういう人ならばがっかりしてしまいそうな内容ですね確かに。地味ですから。特に日本人って、その映画の中で問題提起があって、キチンとそれが映画の中で完結していないとダメな人が多いんですよ。「金払ってるんだから最後までわかりやすくちゃんとやれよ!」みたいな。まあそんな人たちはほっといて~
まじめなハナシ、とても深い映画です。「CRASH(クラッシュ)」に似てるかな。「クラッシュ」はある交通事故を通じて、そこに関わる人たちの人間模様を描いた映画でしたが、今回はそれが一発の銃弾。その一発の銃弾が人々を繋ぎ、人々を引き裂く。「人は繋がっている」ということを意識させられる作品です。
まずキャストです。主演?のブラピはいい感じ。僕はこの人メッチャ好きなんで。知り合いから聞いた話では、ある映画好きの掲示板に「ブラピじゃなくてもよかったんじゃない?適当な三流の役者でいいのに」みたいなことを言っちゃってる「映画好き」がいたらしいですが。それは裏を返せばブラピの演技がすばらしいということ。だってその人はどうせ「ファイトクラブ」的なかっこい~いブラピを想像していたんでしょどうせ。主演を三流役者でいいよって言ってる時点でどうかしちゃってますが。。ブラピはまじめな役もキチンとこなせる役者なのです。あと役所や菊池凛子の演技もなかなかどうして。菊池の体当たりヌードはすごいね!「どんだけやりたいんだよっ」て感じです。でも自分が彼女の置かれている状況になったらそうなるかもしれない。みんなが騒ぐのも分かるくらい迫真の演技です。
ストーリーに関しても秀逸です。こういった考えさせられる映画は大好きです。あと最後のスタッフロールで気づいたんですが、モロッコとアメリカ、日本とメキシコと全て撮影スタッフが違うんです(ある程度は固定されているでしょうが)。それを上手く編集しているなあと感心。映像に関してはモロッコの大自然は綺麗。ただ日本の女子高生の描写がね。ちょっと昔?を意識してるのかと思いますが、惜しい!って感じ。それでも他の映画に比べたらかなりいい線いってます。
ブラピの子供の乳母さんとモロッコの家族に関しては報われずにかわいそうでしたが、それがまさにリアル、みんながみんな幸せになることは出来ないという風に感じました。ブラピやケイト、役所や菊池が希望を見出す代わりに乳母やモロッコの家族は絶望していく。
末っ子を亡くし、その辛さから逃げ出しているブラピ。
そんな夫と決して分かり合えない妻ケイト。
妻を自殺で亡くし、娘とも分かり合えない役所。
母を亡くし聾唖で周りから蔑まれ孤独な娘菊池。
それぞれがそれぞれの混沌(バベル)を抱えて絶望し、一発の銃弾から希望が見えてくる。
息子が結婚し、幸せな乳母と乳母の甥。
家族のために念願のライフルを手に入れたまじめなモロッコ人とその家族。
彼らは一発の銃弾から逆に絶望の混沌へ。
ある人が言っていました。「いつだって、描くより破くことのほうが容易くて、解くより結ぶことのほうが難しいんだ」と。
この映画に悪者は一人もいません。誰が正しくて誰が間違っているのか。何が正しくて何が間違っているのか。こんなにも近くにいるのに解りあえない、でも人は繋がっている。ほんの少しのきっかけで解りあえることもあれば崩れていくこともある。この映画に決まった答えはない。この映画を見た人それぞれが導き出すもの。
いろいろと考えてしまう作品です。
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